HACCPと一般衛生管理

 HACCPと一般衛生管理はタイヤの両輪と聞いたんだけれど、どういうこと?そもそも一般衛生管理という言葉も聞き慣れないんだけど、何のことなのかな?

 一般衛生管理というのは、簡単に言えば施設や設備、従業員の衛生管理のように、食品を扱う事業者なら誰もが当然に守るべき衛生管理のことといえばいいかな。「一般衛生管理」なんて言葉で言うと難しく考えてしまうかもしれないけれど、食品に携わる人たちなら今までもみんな注意していた事柄だと思う。ただ、具体的にどう言う事柄をいうのか、またそれぞれどういった対応が必要なのかはこれを機会にきちんと知っておくと良いね。

 それからタイヤの両輪ということだけれど、HACCPは「工程管理」といわれる衛生管理の仕組みで、個々の食品製造工程を管理する仕組みなんだ。けれど、もしもその作業工程で働く従業員や使用している施設や設備が不衛生だったら、いくら製造工程をしっかり管理しても、いつどこで食品が汚染されるかわからないし危険だよね。だから、HACCPが機能するためには、その前提として一般衛生管理がしっかり実施されていなければならないんだ。HACCPと一般衛生管理、この両方機能して初めてHACCPは機能するから、タイヤの両輪に例えられるよ。

 一般衛生管理とはHACCPによる食品衛生管理の基礎として整備しておくべき食品取扱環境の衛生管理のことで、次のようなものが挙げられます。

  • 施設の衛生管理
  • 食品取扱設備等の衛生管理
  • 使用水等の衛生管理
  • そ族及び昆虫対策
  • 廃棄物及び排水の取り扱い
  • 回収・廃棄
  • 食品取扱者等の衛生管理
  • 食品取扱者等に対する教育訓練

 HACCPシステムを効率的に機能させるためには、その前提条件として一般衛生管理の実施が必要です。そのため、前提条件プログラム(PRP:Prerequisite Program)と呼ばれることもあります。

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