パン類製造とHACCP

 うちは昔からやっている街のパン屋なんですが、最近近所にできた高級食パンひとつでやっている店長さんからHACCPの話を聞いて、うちも導入しなければならないと感じました。
 ですが、いろいろなパンを作っているのでどうしたら良いのか分からなくて困っています。

 確かにパンと一口に言っても、食パンのような焼成して完成するパンだけでなく、サンドイッチのように何かを挟むパンや、カレーパンのように揚げて作るパンもあるから、それぞれの特徴に気をつける必要はあるね。
 けれども、基本的にパンは焼成によって作られるから、その際に食中毒の原因となる通常の微生物は大抵死滅する。もし微生物が生き残るような焼成不足だと売り物にならないだろうから、一般衛生管理を中心に管理して、そこに加工パンで気をつけなければいけないことを検討することが大切だね。

 パンは製パン工程中にオーブンによって加熱され、食中毒の原因となる有害微生物が死滅するのに十分な中心温度、時間が保たれます。また遅くとも翌日程度には食されるため、有害微生物の増殖のリスクも低いといえます。
 しかし焼成後に有害微生物がついてしまうとやはり食中毒の危険があるため、パン類の製造においては、有害微生物を「やっつける」「増やさない」ための衛生管理よりも、「つけない」ための衛生管理、つまり一般衛生管理が重要です。

 また焼成後に加工を加えるパンにおいては、各種具材の調理工程や保管方法によっては有害微生物が生残していたり増殖してしまったりする可能性があります。そこで、一般衛生管理で基本的な衛生管理を徹底するとともに、調理工程に着目して調理パンや菓子パンといった加工パンにも対応した衛生管理計画を立てていきます。

参考:厚生労働省 HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書
パン類の製造における食品衛生管理の手引書

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