手引書のない事業者のHACCP対応

 色々な食品製造関連事業者の組合や協会がHACCPの考え方を取り入れた衛生管理についての手引書を出しているけれど、手引書のない製造業はどうしたらよいですか?

 2022年6月時点で各事業団体によって作成された手引書はおよそ110です。

 これに対して、日本標準産業別分類(H19改訂版)一覧によると、日本の食品関連事業種は、細分類(肉加工品製造業・水産缶詰・瓶詰製造業といった分類)で41業種、食品卸売業(食肉卸売業・飲料卸売業といった分類)で15業種、食品小売業(百貨店、総合スーパー・料理品小売業といった分類)で21業種、外食産業(飲食店、旅館・ホテルといった分類)で9業種となっており、さらに詳細に個々の事業者が扱っている具体的な製品レベルで考えたら、その数は無数ともいえます。逆に言えば、このように無数にある食品製造業全てに向けて手引書が作られるのはむしろ難しいと考えるべきです。

 また手引書があったとしても、手引書はあくまでその業種の一般的な製造方法に基づいて作成されたものに過ぎないため、個々の事業者の施設や製造工程にマッチした手引書とは限りません。その場合も手引書をそのまま使うことは難しいといえます。

 手引書が利用できる業種の方がむしろ例外的と考えて、HACCPについて理解して、自分の事業所にあった衛生管理計画を考えましょう。

「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の対象事業者であっても、「HACCPに基づく衛生管理」を導入することは可能です。手引書がない業種はどちらのHACCPを導入しても構いません。

  • 似ている事業の手引書を参考にして、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を導入する。
  • 7原則12手順に沿った「HACCPに基づく衛生管理」を導入する。
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